請負契約、というものがあります。
請負人が仕事の完成を約し、相手方は仕事の成果に対して報酬を支払うことを約束することで成立します(民法632条)。
そして、請負報酬は、仕事の目的物の引き渡しと同時に支払うものとされています(民法633条)。
ところで、元判事が執筆した要件事実に関する書籍を読むと、
「請負報酬は、請負契約成立と同時に発生する。ただし、請負報酬を請求できるのは、仕事を完成させた以降である」という趣旨の記載がありました。
つまり、請負報酬請求権そのものは請負契約時に発生するが、仕事を完成させるまでは報酬を請求することができない、ということになるようです。
請求することができない権利なら、そもそも権利がないのと同じではないか、と思いましたが、少し違うようです。
請負契約と同時に請負報酬請求権が発生するのであれば、その権利は、債権として譲渡することができるはずです(債権譲渡、民法466条)。
とすれば、請負人は、請負報酬請求権を第三者に譲渡し、目減りはするものの、利益を得ることができます。
つまり、請求することができない権利であっても、権利自体は存在し、これを譲渡することができるため、「権利がない」こととは全く違うことに気が付きました。
ただし、権利を譲り受けた者は、譲渡人が仕事を完成させなければ権利を行使することができないため、一定の制限付きの権利を譲り受けたことになります。
債権者代位や債権の差し押さえについて調べる必要があり、書籍を読みましたが、奥が深いと感じました。
実務上、そのような手続があるのかは分かりませんが、少し気が付いたので、メモ代わりに記載します。

